開催趣旨
「いつでも、誰でも、気軽にオープンダイアローグ を学ぶことができる機会を」
私たちFLATは、オープンダイアローグ に興味関心のある当事者、一般の方、そして専門職の方が、オープンダイアローグ について気軽に学んだり、実践練習したり、交流したりできる機会をつくるため、このたび「オープンダイアローグ・カレッジ(以下、ODカレッジ)」を2023年4月に開校いたしました。
ODカレッジでは、オープンダイアローグについて、多様な方から、多角的に学ぶことを目的としています。
オープンダイアローグ以外の分野についても学ぶことで、より広い視野でオープンダイアローグについて考えることができる機会になると思います。
また、ひとりではなかなか練習できないオープンダイアローグを、みんなで練習する場も設けております。
オープンダイアローグに興味関心のある同じ地域の人と出会うチャンスも、交流会として開催いたします。
オープンダイアローグの理念や哲学が、より多くの方に伝わっていくこと。
そして、オープンダイアローグの種が各地で芽吹くことを願っております。
目の前の人を大切にすることを大事にしたさまざまな考え方や手法と出会うきっかけになれば幸いです。
※オープンダイアローグ・カレッジでは、双方向の学び合いを大事にしておりますが、参加人数が多いため、すべての質問や疑問にこたえることは難しい状況です。しかし、チャット欄などを活用して、皆様の声を聞く機会をつくりたいと考えています。
※耳だけ参加という形でもご参加いただけます。リアルタイムでの参加が難しい方も、アーカイブがありますので、是非気軽にご参加ください。
※オープンダイアローグの知識や経験の有無は問いません。学んでみたい方はどなたでも歓迎です。カレッジの中では、オープンダイアローグの基礎知識についての講座はありませんが、はじめて学ばれる方向けの本や動画についても案内の中で紹介いたします。
※このカレッジでは当事者から専門職まで、様々な方々が参加します。すべての人が安心して学ぶことができるよう、対話的な場づくりにご協力お願いいたします。
前期講座日程
●10月3日(火) 本山智敬さん×永野浩二さん
「PICAGIP(ピカジップ)と未来語りのダイアローグ~支援職を支えるスーパービジョン、多職種連携の対話の場づくり~ 」
●11月7日(火) 森川すいめいさん×村上純一さん×辻井弘美さん
「オープンダイアローグが生まれたフィンランドから学んだこと~治療チームがチームとなるために~」
●12月5日(火) オープンダイアローグ・アプローチ研究会FLAT
「未来語りのダイアローグのデモ・セッション~当事者からみたこれからのオープンダイアローグ~」
●1月16日(火) 国重浩一さん
「OW&Rチーム~ナラティヴ・セラピーにおけるリフレクティング・チーム~」
●2月6日(火) 本山智敬さん×村山正治さん他
「新しいコミュニティ創造の試み ~PCAやオープンダイアローグのこれから~ 」
●3月5日(火) 高木俊介さん
「ACTとオープンダイアローグ〜広がっていくために必要なこと〜」
用語解説
▷オープンダイアローグとは?
フィンランドのケロプダス病院で開発された、急性期精神病に24時間以内にチームで介入し、対話中心で治療するシステム
(引用元 『オープンダイアローグ 』日本評論社 紹介文章)
▷未来語りのダイアローグ(アンティシペーション・ダイアローグ)とは?
多機関、多職種が連携して行う対人支援活動をうまくやっていくための方法
(引用元 NPO法人ダイアローグ 実践研究所)
▷ACT(アクト)とは?
「ACT(アクト/Assertive Community Treatment:包括型地域生活支援プログラム)」とは、重い精神障害を持つ人が、住み慣れた場所で安心して暮らしていけるように、様々な職種の専門家から構成されるチームが支援を提供するプログラム。
(引用元 厚生労働省)
▷パーソン・センタード・アプローチ(PCA)とは?
来談者中心療法(クライエント中心療法)は、1940年代に米国の臨床心理学者カール・ロジャースが創始しました。
当初は「非指示的療法」、近年では「パーソンセンタード・アプローチ」とも呼ばれます。日本には1940年代より導入されました。
(引用元 日本臨床心理士会)
▷PICAGIP(ピカジップ)とは?
パーソン・センタード・アプローチ(PCA)の考え方をもとに開発された新しい事例検討法、PCAGIP法。
(引用元 『新しい事例検討法 PCAGIP入門:パーソン・センタード・アプローチの視点から』紹介文)
開催概要
日時
①ODカレッジ すべて20時〜22時、アーカイブ(録画記録)あり
10月3日(火)、11月7日(火)、12月5日(火)、1月16日(火)、2月6日(火)、3月5日(火)
②OD練習会 毎月第3(もしくは第4)火曜日20時~22時
10月24日(火)、11月21日(火)、12月19日(火)、1月30日(火)、2月20日(火)、3月19日(火)
③OD交流会 11月14日(火)20時~22時
※すべて参加は任意になります。ご都合のあうときに、どうぞいらしてください。カレッジの講義部分はアーカイブをお送りいたします。
参加費
●リアルタイム参加チケット 半年分(6回講義+6回練習会+1回交流会)
FLAT応援チケット 2万円
一般チケット 1.5万円
当事者・家族・学割チケット 7千円
※アーカイブ(録画記録)は残しますので、当日のご参加が難しい方も申し込み可能です。
●アーカイブ(録画記録のみ)チケット(6回講義アーカイブのみ)
・応援チケット 1.5万円
・一般チケット 1万円
・当事者・家族・学割チケット 5千円
《アーカイブの視聴方法について》
毎月の講義後1週間以内に、アーカイブのYouTube動画URLを記載したメールがPeatixから送られてきます。メールからURLをクリックし、視聴してください。
メールが見当たらない場合、PCの迷惑メールフォルダなどに紛れ込んでいる場合もありますので、ご確認お願いいたします。
もしくは、Peatixのアプリをダウンロードして確認するか、PCからPeatixにログインしてみてください。
Peatixの視聴ページをクリックしても、アーカイブを視聴することはできませんのでご注意ください。
アーカイブは2024年4月末まで視聴可能です。
※単発での申込は行っておりません。予めご了承ください。
※「当事者」は病気の診断を受けている必要はありません。生きづらさの当事者、などご自身で判断して頂いて大丈夫です。
※「応援チケット」は、金銭的理由により講座に参加できない人を減らすために設けた「当事者チケット」を応援するため、またFLATの活動を応援するためのチケットとなっております。応援していただけると大変嬉しいです。
定員
300名(リアルタイム参加150名、アーカイブ参加150名)
※先着順となります。定員に達し次第、受付を締め切らせて頂きます。
参加方法
zoomを利用します。
主催・問い合わせ先
一般社団法人オープンダイアローグ・アプローチ研究会FLAT
OD練習会について
講座紹介
講師プロフィール
●本山智敬さん
福岡大学人文学部教育・臨床心理学科准教授
臨床心理士、公認心理師。ロジャーズのパーソンセンタード・アプローチに基づく個人カウンセリングやグループ・アプローチの実践と研究の他、精神科病院での心理面接、中学校・高等学校での仲間づくりのグループワークなどの実践も行っている。
著書に『ロジャーズの中核三条件 一致・受容・共感的理解 カウンセリングの本質を考える(三分冊)』共編著(創元社, 2015年)、『エンカウンター・グループの新展開 自己理解を深め他者とつながるパーソンセンタード・アプローチ』共編著(木立の文庫, 2020年)など。
● 永野浩二さん
追手門学院大学心理学部教授 臨床心理士、公認心理師。パーソンセンタード・アプローチのカウンセラーとして、「働く 人が元気になるメンタルヘルス研修会」の講師などを行っている。『パーソンセンタード・ アプローチとオープンダイアローグ』(近刊)では、アンティシペーション・ダイアローグ のロールプレイのファシリテーターを行った動画を視聴できる。
著書に『パーソンセンタード・アプローチの挑戦 現代を生きるエンカウンターの実際』共 著(創元社, 2011 年)など。
●森川すいめいさん
1973年東京生まれ。精神科医・鍼灸師。 クリニックで訪問診療などを行う。2003年にホームレス状態にある人を支援する「TENOHASHI」を立ち上げ、現在も活動中。日本の医師としてははじめてオープンダイアローグトレーナー資格を取得した2名のうちの一人。「NHK こころの時代」など出演。著書に『その島の人たちは、ひとの話をきかない(青土社,2016)』『感じるオープンダイアローグ(講談社,2021)』『オープンダイアローグ 私たちはこうしている(医学書院.2021)』など。
●村上純一さん
1976年生まれ。精神科医。琵琶湖病院。2015年に「当事者に関することを当事者と一緒に決める」取り組みを開始し、オープンダイアローグや対話実践を少しずつ臨床に取り入れ始めている
●辻井弘美さん
公認心理師・臨床心理士、米国認定カウンセラー(NCC)・NY州認定マリッジ&ファミリーセラピスト(LMFT)
フィンランドでのPsychotherapy Trainer’s Training:Dialogical Approaches in Couple and Family Therapy(2018-2020年)修了。現在、ゆうりんクリニックにて対話実践とトレーニングに従事。
●国重浩一さん
1964 年、東京都墨田区生まれ。ニュージーランド、ワイカト大学カウンセリング大学院修了。日本臨床心理士、ニュージーランド、カウンセラー協会員。鹿児島県スクールカウンセラー、東日本大震災時の宮城県緊急派遣カウンセラーなどを経て、2013年から2023年までニュージーランドに在住。
同年に移民や難民に対する心理援助を提供するための現地NPO 法人ダイバーシティ・カウンセリング・ニュージーランドを立ち上げる。2019 年には東京に一般社団法人ナラテイヴ実践協働研究センターの立ち上げに参加。
著書に、『ナラテイヴ・セラピーの会話術」(金子書房)、『震災被災地で心理援助職に何ができるのか?」(編著、ratik)、『どもる子どもとの対話』(共著、金子書房)、 『ナラテイヴ・セラピーのダイアログ』(編著、北大路書房)、『ナラティヴ・セラピー・ワークショップ BOOK Ⅰ&Ⅱ』(北大路書房)、『もう一度カウンセリング入門』(日本評論社)など。
● 村山正治さん
東亜大学大学院臨床心理学専攻教授。九州大学名誉教授 臨床心理士。私は、パイオニア、ネットワーカー、種まき屋である。個人心理治療からエン カウンター、フォーカシング、スクールカウンセリングなど関係した領域で、結果として多 彩な花の開花を眺めるのは楽しいことである。大学院は共創がしやすい。(『PCAGIP 入門』 の自己紹介より)
著書に『ロジャーズをめぐって』単著(金剛出版, 2005 年)、『新しい事例検討法 PCAGIP 入 門』共著(創元社, 2012 年)、『スクールカウンセリングの新しいパラダイム』単著(遠見書 房, 2020 年)、『私のカウンセラー修行』単著(誠信書房, 2022 年)など。
●高木俊介さん
1957年、広島県生まれ。精神科医。83年、京都大医学部卒業。大阪府内の私立精神病院と京都大医学部附属病院精神科にそれぞれ10年間勤務。日本精神神経学会で、精神分裂病の病名変更事業にかかわり「統合失調症」の名称を発案。2002年に正式決定された。04年、京都市中京区にたかぎクリニック開設。著書に『ACT―Kの挑戦』(批評社)、『こころの医療宅配便』(文藝春秋)『実践!アウトリーチ入門』(編著、日本評論社) 監訳 『精神疾患はつくられる』(塚本千秋と共同、日本評論社)『対人支援のダイアローグ 』(金剛出版)