オープンダイアローグとは

オープンダイアローグは、1980年代にフィンランドのケロプダス病院で開発されました。
精神病などの急性期に24時間以内にチームで話す場を開き、困りごとを抱えた本人と、本人が対話に招きたいと思っている人たち(家族だけでなく友人や親せき、近所の人も含めたパーソナルネットワーク)と専門家チーム(医療チームだけでなく、福祉や行政、学校関係者なども含む)が一緒に対話をすることで回復を目指すシステムです。

「クライアントのことについて、スタッフだけで話をすることをやめる」「クライアントや家族のいないところで、彼らに関することを決めない」と、当事者抜きに決め事をしないと決めたことから始まりました。依頼された本人を病気の人とはみなさずに「困りごとを抱えた人」「周囲の人が心配している人、あるいは困りごとを抱えていると思っている人」として考え、なるべく投薬や入院を避け、対話を続けていくことを大事にしたアプローチです。

対話の場では安易に結論を出そうとしたり、解決しようとはせず、対話を続けることを大切にしています。 特に統合失調症の急性期に用いることで、8割以上の方々が回復に向かったことから、世界でも注目を集めています。

※オープンダイアローグはリフレクティングを入れた対話の構造のみを指す言葉ではなく、大事にしている考え方や哲学がベースにあります。単なる対話の一手法ではありません。
※ここではクライアントという表現にしていますが、依頼された方、サービス利用者というふうに捉えてもらえればと思います。

日本でもオープンダイアローグを目指した対話実践が病院や訪問看護、様々な相談支援の現場で取り入れられようとしている動きはありますが、システムとしてのオープンダイアローグはなかなか導入に至っておらず、今後よりいっそう広がっていくことを願っています。
フィンランドで行われてきたオープンダイアローグを、そのまま日本の既存のシステムに取り入れることは現時点ではかなり険しい道のりですが、その実現を願って、FLATでは「オープンダイアローグ ・アプローチ」という名前で、対話の文化が広がっていくための種まきをしていきたいと思っています。