
開催趣旨
「いつでも、誰でも、気軽にオープンダイアローグ を学ぶことができる機会を」
私たちFLATは、オープンダイアローグ に興味関心のある当事者、一般の方、そして専門職の方が、オープンダイアローグ について気軽に学んだり、実践練習したり、交流したりできる機会をつくるため、「オープンダイアローグ・カレッジ(以下、ODカレッジ)」を2023年4月に開校いたしました。
ODカレッジでは、オープンダイアローグについて、多様な方から、多角的に学ぶことを目的としています。
オープンダイアローグ以外の分野についても学ぶことで、より広い視野でオープンダイアローグについて考えることができる機会になると思います。目の前の人を大切にすることを大事にしたさまざまな考え方や手法と出会うきっかけになれば幸いです。
また、カレッジではひとりではなかなか練習できないオープンダイアローグを、みんなで練習する場も設けております。
オープンダイアローグに興味関心のある同じ地域の人と出会うチャンスとして、交流会も開催いたします。
オープンダイアローグ・カレッジでは、アーカイブの方を含めて毎期300名以上の方にご参加いただいております。
今年は「理論と実践をつなぐ」をテーマに、現場でオープンダイアローグの哲学が実践されること、当事者や当事者家族の方も含めて様々な方にオープンダイアローグの考え方が届くことで少しでも楽になったり希望がもてることを願って企画致しました。
オープンダイアローグの理念や哲学が、より多くの方に伝わっていくこと。
様々な人が出会い、つながり、オープンダイアローグのムーブメントをみんなで一緒に起こしていく、
そのための波紋のひとしずくの役目が果たせたらと思っております。
ぜひ、皆さまの周りの方々にも、このカレッジの存在をご紹介いただけると嬉しいです。
オープンダイアローグの種が各地で芽吹くことを心より願っております。
※3年目となる2025年度のカレッジは4月~9月までの半年間のみの開催となります。10月以降は初めてODを学ぶ方向けの講座と、リフレクティングの実践ワークを中心とした講座を行う予定です。
※オープンダイアローグ・カレッジでは、双方向の学び合いを大事にしておりますが、参加人数が多いため、すべての質問や疑問にこたえることは難しい状況です。しかし、チャット欄などを活用して、皆様の声を聞く機会をつくりたいと考えています。
※耳だけ参加という形でもご参加いただけます。リアルタイムでの参加が難しい方も、アーカイブがありますので、是非気軽にご参加ください。
※オープンダイアローグの知識や経験の有無は問いません。学んでみたい方はどなたでも歓迎です。
※はじめてオープンダイアローグを学ぶ方へ:カレッジの中では、オープンダイアローグの基礎知識についての講座はありませんが、はじめて学ばれる方向けの本や動画についても案内の中で紹介いたします。また、4月・5月のOD実践練習会にて「初めてオープンダイアローグを学ぶ人のためのミニ講座」や「デモ・セッション」もやりますので、ぜひオープンダイアローグに触れにきてください。
※このカレッジでは当事者から専門職まで、様々な方々が参加します。すべての人が安心して学ぶことができるよう、対話的な場づくりにご協力お願いいたします。
講座日程
カレッジ講義
●4月15日(火)
「オープンダイアローグとの出会いから実践に至るまで~現場にどう導入してきたのか~」
斎藤環さん×大井雄一さん×森川すいめいさん
●5月6日(火・祝)
「組織で対話をするためにできること〜オープンダイアローグ ×プロセスワーク〜」
岡田由佳さん×横山十祉子さん
●6月3日(火)
「ソーシャルネットワークを回復するプロセス~ナラティヴ・セラピーにおけるリ・メンバリングとは?~」
国重浩一さん×奥野光さん
●7月1日(火)
「アーリーダイアローグ:支援者が自らの懸念・心配事(worry)を取り上げること」
白木孝二さん
●8月19日(火)
「家族会とオープンダイアローグ~複合家族療法の知恵も視野に入れつつ~」
遊佐安一郎さん×金子智紀さん×FLAT
●9月9日(火)
「トラウマとオープンダイアローグ~センシティブな話題が出た際の聴き方~」
白川美也子さん×吉里恒昭さん×戸田周公さん
オープンダイアローグ実践練習会&交流会
※リアルタイム参加チケットの方のみ参加できます。内容一部リニューアルしました!
●4月22日(火)
シナリオロールプレイ「声に出して読みたいオープンダイアローグ 」
大井雄一さん×笹原信一朗さん
●5月20日(火)
練習会:メインルーム…デモ・セッション(30分OD+ふりかえり30分)、ブレイクアウトルーム…OD練習(30分×2人)
●6月17日(火)
練習会:メインルーム…フリートーク、ブレイクアウトルーム…OD練習(30分×2人)
●7月29日(火)
交流会:オープンスペーステクノロジー(OST)
●8月26日(火)
練習会:メインルーム…テーマトーク「ODの進行の工夫について」、ブレイクアウトルーム…OD練習(60分×1人)
●9月30日(火)
ふりかえり(全員が話し手をするミニ・オープンダイアローグ)
※ブレイクアウトルームでのOD練習は、耳だけ参加はできません。ODの練習なので、お互いの表情が見れるよう基本的に画面ONでの参加をお願いいたします。

開催概要
日時
①ODカレッジ すべて20時〜22時(後日視聴可)
4月15日(火)、5月6日(火・祝)、6月3日(火)、7月1日(火)、8月19日(火)、9月9日(火)
※講義部分はアーカイブ(録画記録)もお送りします
※アーカイブは講義終了後1週間以内に、Peatix経由のメールにて再生リスト(Youtube限定公開動画のリンク)をお送りいたします。Peatixの視聴するボタンからはご覧いただけませんのでご注意ください。
※すべてのアーカイブの視聴期限は2025年10月末になります。
②OD実践練習会 すべて20時~22時
4月22日(火)、5月20日(火)、6月17日(火)、8月26日(火)、9月30日(火)
※4月・5月の説明部分はアーカイブを残しますが、他の部分に関してはアーカイブはありません
③OD交流会 すべて20時~22時
7月29日(火)
※ブレイクアウトルームメインのため、アーカイブはありません
①~③すべて参加は任意になります。ご都合のあうときに、どうぞいらしてください。

参加費
●リアルタイム参加チケット 半年分(6回講義+4回練習会+2回交流会)
・FLAT応援チケット 2万円
・一般チケット 1.5万円
・当事者・家族・学割チケット 7千円
※アーカイブ(録画記録)を残しますので、当日のご参加が難しい方でも申し込み可能です。
※単発でのお申込は承っておりません。予めご了承ください。
※「当事者」は病気の診断を受けている必要はありません。生きづらさの当事者、などご自身で判断して頂いて大丈夫です。
※「応援チケット」は、金銭的理由により講座に参加できない人を減らすために設けた「当事者チケット」を応援するため、またFLATの活動を応援するためのチケットとなっております。応援していただけると大変嬉しいです。
●アーカイブ(録画記録のみ)チケット(6回講義のアーカイブのみ)
・応援チケット 1.5万円
・一般チケット 1万円
・当事者・家族・学割チケット 5千円
定員
500名(リアルタイム参加300名、アーカイブ参加200名)
※先着順となります。定員に達し次第、受付を締め切らせて頂きます。
参加方法
zoomを利用します。zoomアドレスは講義約1週間前と前日にPeatixからのメールにてお知らせいたします。
もしメールが届かない場合は、一度迷惑メールフォルダ等もご確認の上、下記方法をお試しください。
ご自身のメーラーにメールが届かない場合でも、Peatixにログインいただければメッセージを確認することが可能です。
●PCの場合:Peatixにログイン→右上のメールマーク からメッセージをご確認いただけます。
●スマホのアプリの場合:Peatixアプリを起動→プロフィール→メッセージ からメッセージをご確認いただけます。
申込先
Peatixからお申込みください
●リアルタイム参加チケット
https://odcollege2025.peatix.com/
●アーカイブのみチケット
https://archive-odcollege2025.peatix.com/
※リアルタイム参加・アーカイブのみで申込先が異なりますので、ご注意下さい
主催・問い合わせ先
一般社団法人オープンダイアローグ・アプローチ研究会FLAT
登壇者プロフィール
4月
●斎藤環(さいとうたまき)さん
つくばダイアローグハウス院長。精神科医で筑波大学医学医療系社会精神保健学・教授。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン共同代表。著書に『やってみたくなるオープンダイアローグ』(共著)、『オープンダイアローグとは何か』(著・訳)、『オープンダイアローグがひらく精神医療』(著)、『イルカと否定神学 対話ごときでなぜ回復が起こるのか』(著)、『開かれた対話と未来』(訳)ほか多数。
●大井雄一(おおいゆういち)さん
精神科医。博士(医学)、社会医学系指導医、公認心理師、臨床心理士、労働衛生コンサルタント(保健衛生)。オープンダイアローグトレーナー養成プログラム(フィンランド・ヘルシンキ)修了。愛媛大学卒業。筑波大学附属病院初期研修プログラム修了。同学医学医療系助教に就任。官公庁、研究所、一般企業等、複数事業場の産業医として労働者のメンタルヘルス支援に尽力し10年奉職。しのだの森ホスピタルで精神科臨床に従事したのち、2023年8月に『澁谷川診療所』院長就任。主訳著は『オープンダイアローグ 実践システムと精神医療』(共著,東京大学出版会),『サイコーシスのためのオープンダイアローグ 対話・関係性・意味を重視する精神保健サービスの組織化』(共訳,北大路書房)など。
●森川すいめい(もりかわすいめい)さん
1973年東京生まれ。精神科医・鍼灸師。 クリニックで訪問診療などを行う。2003年にホームレス状態にある人を支援する「TENOHASHI」を立ち上げ、現在はその仲間と立ち上げたクリニックで職員として活動を続ける。日本の医師としてははじめてオープンダイアローグトレーナー資格を取得した2名のうちの一人。「NHK こころの時代」など出演。著書に『その島の人たちは、ひとの話をきかない(青土社,2016)』『感じるオープンダイアローグ(講談社,2021)』『オープンダイアローグ 私たちはこうしている(医学書院.2021)』など。
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5月
●岡田由佳(おかだゆか)さん
愛媛県松山市生まれ、奈良県桜井市在住。京都橘大学健康科学部心理学科卒業。公認心理師。株式会社アレルギーヘルスケア代表取締役。Dialogus代表。株式会社梅の花独立社外取締役。元スクールカウンセラー。企業顧問心理師(カンパニーカウンセラー)。
●横山十祉子(よこやまとしこ)さん
大学卒業後、数社の企業経験の中で組織をどう活性化するのかに直面、プロセス指向心理学(プロセスワーク)に出会う。 現在は、より多様で全体に開かれたシステム変容を目指して、プロセスワークを中心に、U理論、システム思考、AIなどの概念や手法から学び、人と組織と社会の成長に焦点を当てた理論を「システムアウェアネス」として開発。人と組織を入り口に、身体性を視野いいれたコーチング、組織/社会開発、ワークショプデザイン&ワークショップファシリテーション、ファシリテーター養成、リーダーシップ改めエルダーシップ開発などを手がける。 また、「自然と人のシステム探究舎」では、自然システムを入り口とし、『SOILFULNESS』をキーワードに、土壌を基点として「生死を含めた自然の循環の一部として存在する人」をどう体感的に取り戻すかを探求中。
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6月
●国重浩一(くにしげこういち)さん
1964 年、東京都墨田区生まれ。ニュージーランド、ワイカト大学カウンセリング大学院修了。日本臨床心理士、ニュージーランド、カウンセラー協会員。鹿児島県スクールカウンセラー、東日本大震災時の宮城県緊急派遣カウンセラーなどを経て、2013年から2023年までニュージーランドに在住。 現在、滋賀県大津市に在住。
2013年に移民や難民に対する心理援助を提供するための現地NPO 法人ダイバーシティ・カウンセリング・ニュージーランドを立ち上げる。2019 年には東京に一般社団法人ナラテイヴ実践協働研究センターの立ち上げに参加。
著書に、『ナラティヴ・セラピーの会話術」(金子書房)、『震災被災地で心理援助職に何ができるのか?」(編著、ratik)、『どもる子どもとの対話』(共著、金子書房)、 『ナラティヴ・セラピーのダイアログ』(編著、北大路書房)、『ナラティヴ・セラピー・ワークショップ BOOK Ⅰ&Ⅱ』(北大路書房)、『もう一度カウンセリング入門』(日本評論社)など。
●奥野光(おくのひかる)さん
愛媛県生まれ。臨床心理士。ナラティヴ・セラピスト。翻訳家。現在は大学の学生相談室でカウンセラーとして活動。
共著に『セラピストの物語/物語のセラピスト』日本評論社、『ナラティヴ・セラピーのダイアログ』北大路書房。訳書に『サバイバーと心の回復力』金剛出版、『ナラティヴ実践地図』金剛出版、『ナラティヴ・プラクティス』金剛出版、『ふだん使いのナラティヴ・セラピー』北大路書房、『手作りの悲嘆』北大路書房、『会話・協働・ナラティヴ アンデルセン・アンダーソン・ホワイトのワークショップ』金剛出版、『リフレクションズ ナラティヴと倫理・社会・スピリチュアリティ』金剛出版、ほか多数。
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7月
●白木孝二(しらきこうじ)さん
Nagoya Connect & Share 代表
RDI®️Program Certified Consultant 臨床心理士
論文・著書(分担執筆)に「オープンダイアローグの対話実践、そして援助者の在り方について」『精神看護』 2015.11 医学書院
「開かれた対話―セラピストのあり方」『臨床心理学』 第15巻5号2016.09 金剛出版
「ダイアローグ実践の哲学と臨床姿勢」『オープンダイアローグ 実践システムと精神医療』 石原、斎藤 編2022 東京大学出版会
訳書(共訳)に『精神科診断に代わるアプローチ PTMF』 L・ジョンストン、M・ボイル著 石原/白木/辻井/西村/松本 訳 2023 北大路書房、『サイコーシスのためのオープンダイアローグ』N・パットマン、B・マーティンデール編 石原孝二編訳 2023 北大路書房
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8月
●遊佐安一郎(ゆさやすいちろう)さん
1947年 生まれ。臨床心理学者。教育学博士。長谷川メンタルヘルス研究所所長。福島県生まれ。専門は臨床心理学、家族療法、認知行動療法、弁証法的行動療法、境界性パーソナリティ障害、スキーマ療法、感情調節困難、そしてヘルピングスキルなどを活用した臨床心理士やカウンセラー、看護師などの教育訓練。現在は長谷川メンタルヘルス研究所にて、個人カウンセリング、弁証法的行動療法に基づく感情調節訓練グループ、家族支援などに取り組んでいる。著書に『家族療法入門システムズ・アプローチの理論と実際』など。
●金子智紀(かねことものり)さん
慶應義塾大学SFC研究所上席所員、慶應義塾大学政策・ メディア研究科後期博士課程(2024年度3月卒業見込み)。修士(政策・メディア)。NPO法人MOTTAI理事。著者に『ともに生きることば: 高齢者向けホー ムのケアと場づくりのヒント』
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9月
●白川美也子(しらかわみやこ)さん
1989年浜松医科大学卒業。浜松市内のいくつかの病院を経て、2000年4月より独立行政法人国立病院機構天竜病院小児神経科・精神科医長。2006年より浜松市保健福祉部保健福祉施設設置準備室、2007年より浜松市精神保健福祉センター所長、2008年より国立精神・神経センター臨床研究基盤研究員。2010年1月~20114月まで昭和大学精神医学教室、特任助教。2010年4月より東京女子医科大学女性障害健康センター非常勤講師、フリーランスになり東日本大震災の支援と地域における子ども虐待やDVによるサバイバーの方への臨床的支援、研究に携わる。2012年4月より横浜カメリアホスピタル勤務。2013年10月よりこころとからだ・光の花クリニック院長 http://hikarinohanaclinic.com
日本トラウマティック・ストレス学会理事、日本EMDR学会理事、子どもの虐待防止センター代議員、IFCAメディカルアドバイザー
●吉里恒昭(よしざとつねあき)さん
フォーチュンビレッジ代表。株式会社DMW所属。臨床心理士・公認心理師・医学博士(臨床薬理学)。心療内科にて約20年の臨床経験があり、これまでのべ8万回以上のカウンセリングセッションを体験。その経験を“最新メンタルヘルス”として体系化。わかりにくいメンタルヘルス問題を、当事者と支援者たちにわかりやすく実現可能な具体的な方法を開発する専門家
著書に、『はじめての「最新メンタルヘルス」入門』セルバ出版、『「ポリヴェーガル理論」がやさしくわかる本』日本実業出版社
●戸田周公(とだなりたか)さん
オープンダイアローグ・トレーニング基礎コース第二期生修了。2019年度AD(アンティシペーション・ダイアローグ)ファシリテーター認定コース修了。 りすにんぐファーム代表、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー 公認心理師、精神保健福祉士、社会福祉士
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〈4月22日のOD実践練習会に登壇〉
●大井雄一(おおいゆういち)さん
精神科医。博士(医学)、社会医学系指導医、公認心理師、臨床心理士、労働衛生コンサルタント(保健衛生)。オープンダイアローグトレーナー養成プログラム(フィンランド・ヘルシンキ)修了。愛媛大学卒業。筑波大学附属病院初期研修プログラム修了。同学医学医療系助教に就任。官公庁、研究所、一般企業等、複数事業場の産業医として労働者のメンタルヘルス支援に尽力し10年奉職。しのだの森ホスピタルで精神科臨床に従事したのち、2023年8月に『澁谷川診療所』院長就任。主訳著は『オープンダイアローグ 実践システムと精神医療』(共著,東京大学出版会),『サイコーシスのためのオープンダイアローグ 対話・関係性・意味を重視する精神保健サービスの組織化』(共訳,北大路書房)など。
●笹原信一朗(ささはらしんいちろう)さん
1974年東京都生まれ。筑波大学医学専門学群卒業後、同大大学院医学研究科を経て、現在同大学院人間総合科学研究科産業精神医学・宇宙医学グループ准教授。専門は、産業医学・産業精神医学・長寿医学。オープンダイアローグ基礎コース修了。ODNJP運営委員・広報委員。精神科産業医として職域でのオープンダイアローグ応用を中心に活動している。 主な著書『精神科医が教える 「心が折れない部下」の育て方』 (メディアファクトリー新書)など。
用語解説
▷「オープンダイアローグ」とは?
フィンランドのケロプダス病院で開発された、急性期精神病に24時間以内にチームで介入し、パーソナルネットワークと専門家チームが一緒に対話をすることで回復を目指すシステム。「患者のいないところで患者の話はしない」と、患者抜きに決め事をしないことから始まった。患者を病気の人とはみなさずに、「困りごとを抱えた人」として考え、なるべく投薬や入院を避け、対話を続けていくことを大事にしたアプローチ。
▷「アーリーダイアローグ(早期ダイアローグ)」とは?
コミュニティ内(家庭、学校、支援施設、会社組織、サークル内等)で、問題が起こった際に、その問題を、自分の「心配ごと」として捉え、関係者に協力を求める対話の手法。※フィンランドでは、心配ごとのある当事者は主に、支援者(専門職)を想定。「Take up one’s worries」支援者が自分自身の心配・懸念・不安として取り上げる。
参照:『あなたの心配事を話しましょう 響きあう対話の世界へ』『開かれた対話と未来』第2章
▷ナラティヴ・セラピーとは?
ナラティヴ・セラピーとは、オープンダイアローグと同じく、社会構成主義を背景としている。家族療法から発展した心理療法で、オーストラリアのマイケル・ホワイトとニュージーランドのデイビット・エプストンらによって研究・実践され、まとめられたアプローチ。「問題が問題であり、人が問題ではない」という考え方のもと、クライアントとセラピストが協働して会話していくことを大事にしている。
▷「プロセスワーク」とは?
プロセスワークとは、アメリカの心理学者であるアーノルド・ミンデル氏が提唱した考え方です。ミンデルは、ユング心理学、老荘思想、量子力学、コミュニケーション理論、市民社会運動などの知恵をもとに個人と集団の葛藤・対立を扱うプロセスワークを開発。世界中の社会・政治リーダーやファシリテーターの自己変容を支援している。著作に『対立を歓迎するリーダーシップ』、『ワールドワーク』、『プロセス指向のドリームワーク』、『対立の炎にとどまる』など多数。
▷「PTMF」とは?
PTMF(Power Threat Meaning Framework:パワー・脅威・意味のフレームワーク)は、精神科診断に基づく伝統的・主流の医療・治療モデルへの代替アプローチ(従来とは異なった、取って代わる選択肢として)として、これまでの研究と実践(エビデンス)を基にして、イギリスの専門家(心理士など)と利用者の協力によって研究され、2018年にまとまった形となりました。
メンタルヘルスや刑事司法制度と接点を持つ人々(当事者、利用者)だけでなく、問題や困難の軽重に関わらず、私たち全員にも適用される、画期的でありながら極めて理にかなった、新しい理解と支援のフレームワーク(枠組み)です。
▷「ポリヴェーガル理論」とは?
「身体感覚」とは何でしょうか。これを説明するのに役立つのが新しい自律神経の理論「ポリヴェーガル理論」です。
自律神経は一般的に交感神経と副交感神経の2つと言われますが、ポリヴェーガル理論は副交感神経の中の迷走神経という重要な神経を2つに分けました。つまり自律神経を交感神経と2つの迷走神経の3つの神経系にわけたのです。メンタルヘルスにおいて、この”3つの自律神経”を理解すると「自分に何が起こっているのか」ということが理解でき「安心」につながります。
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▷「声に出して読みたいオープンダイアローグ」とは?
大井雄一さんが雑誌『精神看護』(医学書院)に寄稿されていた、オープンダイアローグのワーク用シナリオ。やりとりの例を見ることで、オープンダイアローグがどんな風に進んでいくのか、イメージがつかみやすくなると思います。大井さんのnoteでも、3種類すべて読むことができますので、興味がある方は是非ご覧ください。勉強会などで読み合わせをして学ぶという活用もできます。
ダウンロード先:https://note.com/yuichi___/n/n31b36d08c555
